鳥海山
 秋田県仁賀保高原より望む

私は学生時代より本荘由利地域の地質について研究を続けており特に「出羽富士」と呼ばれる美しい山、鳥海山に関しては、学会等でたびたびこの”霊峰”の研究発表をかさねております。

本年、平成九年十月十二日に九州は福岡市において開催された日本地学学会全国大会で私は鳥海山の形成過程と氷河の痕跡の題で発表をいたしました。

この研究発表を通して私なりに考察する「鳥海山」をこのホームページでみなさまにご紹介申し上げます。



まずは本年の発表に関して概略を示し、皆様のお知恵を拝借いたしたく存じます。
研究課題

@ 日本列島豪雪地帯の化石氷河 

 1954年秋田大学の卒論研究で秋田県雄勝郡皆瀬村小安温泉を調査した。その際に小安沢  の源流となっている小安岳山頂部はるカ−ル状の地形をしている。このような地形は、  周辺の高い山の山頂部にも見られる。山麓の湖沼群ともあわせて氷河の痕跡ではないか  と思ったが、本物の氷河を見ていない自分には氷河地形と決め付ける自信がなかった。 

 1961年日本地学教育学会の世界巡検に参加した、その目的は世界の氷河地形を自分の目  で確かめることだった。この経験から今回1997年7月、鳥海山に氷河の痕跡を確認する  ことが出来た。日本では標高2000m以上の氷河説は定着しているが1000m以下の低位置  氷河説は1930年代の氷河論争以降タブ−と化しているが、鳥海山の例から、日本海沿岸 の豪雪地帯に発生した氷河の雪舌は標高300mまで垂れ下がったと推定される。

  このような 例は他地域にも存在すると考えられることから、広くデ−タを収集し豪雪地帯に発生した 化石氷河の実態を明らかにしたいと考えている。 

皆様からの情報、ご意見、ご感想をお待ちいたしております。 

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鳥海山と東北の氷河期 (加藤萬太郎 著)


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